マンションを購入する際に気をつけなくてはならないのが、騒音問題についてです。騒音トラブルに悩まされている方は多く、騒音トラブルが原因となって転居してしまう方もいます。騒音に悩まされにくい物件の選び方に触れながら、マンションで発生する騒音トラブルの対策方法について紹介していきます。
目 次
マンションにおける騒音トラブルとは?
マンションの騒音トラブルには明確な基準があるわけではありませんが、おおよその目安を知っておくことは大切です。
環境庁が公表しているデータによると、日中と夜間における騒音の目安は以下のようになっています。
日中 | 50~60デシベル |
夜間 | 40~50デシベル |
それぞれの数値の目安は以下のとおりです。
- 40デシベル:閑静な住宅街の昼下がり
- 50デシベル:人の話し声
- 60デシベル:デパートの店内
日中はそれほどでもありませんが、夜間になると、複数人で会話していたり電話で話しているだけでもうるさいと感じたり、騒音トラブルに発展してしまったりする可能性があるということになります。
騒音トラブルの少ない物件選びのポイント
騒音トラブルに悩まされたくないのであれば、騒音トラブルの少ない物件を選ぶのがおすすめです。
騒音トラブルの少ない物件選びの主なポイントとしては、
- 防音性能の高いマンションを選ぶ
- 騒音に悩まされにくい部屋を選ぶ
- 立地を確認する
- ファミリー層が少ないマンションを選ぶ
の、4点があげられます。
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
1. 防音性能の高いマンションを選ぶ
騒音に悩まされたり、こちらが発する騒音で隣接する部屋の住人に迷惑をかけたりしたくないのであれば、防音性能を重視してマンションを選びましょう。
現在のマンションはRC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)が主流になっているため基本的な防音性能は高いと言えますが、それぞれの部屋の防音性能は壁や天井の厚さによって大きく異なるため、壁や天井の厚さは必ず確認するようにしましょう。二重床や二重天井が取り入れられているマンションは特におすすめです。
また、マンションの管理規約でカーペットの使用が求められているマンションだと上の階の足音が響きにくく、騒音トラブルになりにくい傾向にあります。
2. 騒音に悩まされにくい部屋を選ぶ
最上階の部屋や角部屋など、騒音に悩まされにくい部屋を選ぶのも物件選びにおける一つのポイントになります。
マンションの最上階の部屋は上の階に部屋がなく人が生活していないため、足音などによる騒音に悩まされることがありません。また角部屋は隣接する部屋が部屋が少ないため、騒音に悩まされる可能性が低くなります。
駐車場やエレベーターに近い部屋を避けることも重要なポイントの一つになります。
3. 立地を確認する
マンションが建っている地域や周辺状況など、マンションの立地をよく確認しておくことも大切です。閑静な住宅街に建っているマンションであれば外からの騒音に悩まされることはありません。
一方、大きな道路に面しているマンションや繁華街に建っているマンションは外からの騒音が悩みのタネとなってしまう可能性が高いので注意。遊具のある公園や学校が目の前にあるようなマンションも、子供の声が響きやすいため要注意です。
4.ファミリー層が少ないマンションを選ぶ
「一人で静かに暮らしたい」
「夫婦で静かに暮らしたい」
という場合は、ファミリー層が少ないマンションを選ぶようにしましょう。ファミリー層向けマンションは小さな子どもが多く、騒音に悩まされる可能性が高くなります。
一方、ファミリー層が購入しにくい都心の小規模なマンションを選ぶようにすれば、子どものはしゃぐ声やドタドタとした足音に悩まされる確率も下がります。
騒音に悩まされたときにできる2つのこと
マンションの購入を考えているのであれば、騒音に悩まされるような自体が実際に発生してしまった場合の対処法についても把握しておかなくてはいけません。
騒音トラブルが発生したときの一般的な対処法としては、「マンションの管理会社や管理組合に相談する」です。騒音の原因がハッキリしていないにも関わらず直接注意してしまうと、騒音以外のトラブルに発展してしまいかねません。自分で解決しようとするのではなく、管理会社や管理組合に相談して問題を解決するべきです。
余計なトラブルを避けるためにも、なるべく管理会社や管理組合に対応を任せるようにしてください。
1.DIYで防音対策
簡単な防音対策であればDIYでも実現できます。防音シートや防音マット、防音カーペットの設置であれば誰でも簡単におこえるでしょう。最近は壁に直接貼れるような吸音パネルも充実してきているので、そういったアイテムを試してみてもよいでしょう。
DIYの経験が豊富な方であれば、室内に壁を設けるような本格的な対策も可能です。
まず、ディアウォールやラブリコなどのDIY向けアイテムを使って柱を設け、柱と柱の間に防音材を設置します。後は、その上から合板などの板材を貼り付ければ完成です。板材の上から壁紙を貼れば、見た目も向上します。
ただ、既存の壁を覆うことでカビが生えてしまったりクロスが劣化するといった問題が発生する可能性があるので、メリット・デメリットをよく確認した上でおこなうようにしてください。高精度な防音対策なら、やはりプロに依頼しましょう。
2.リノベーションで騒音対策
先ほど紹介した物件選びのポイントを意識しながらマンションを選んだとしても騒音が発生することはあります。
そこでおすすめなのが、リノベーションでの騒音対策です。
万が一購入した物件で騒音トラブルが発生してしまったとしてもリノベーションによって外や隣接する部屋から発生する騒音を軽減することで対応できますし、自室から出てしまう騒音の抑制にもなります。ここからは、リノベーションでできる具体的な騒音対策について紹介していきます。
道路から発生する騒音を対策
大きな道路や交通量の多い道路に面したマンションは、利便性が高い反面、外からの騒音に悩まされてしまいがちです。繁華街に建っているマンションだと通行人の話し声に悩まされることもあります。
そういった外から発生する騒音への対策方法としておすすめなのが、「インナーサッシの設置」です。
インナーサッシは既存の窓に内窓を設置するリノベーション工事で、断熱や防音などの効果が期待できます。外からの騒音のほとんどは窓から入ってくるため、インナーサッシを設置して窓を二重にすることで大きな防音効果が期待できるようになります。
隣接の部屋からの騒音を対策
写真は壁に防音材を入れ、これまで悩まされていた隣家の騒音を解消したケースです。
隣接する部屋から発生する騒音には防音材がおすすめです。壁紙の下に石膏ボードなどの下地が設置され、その下地の内側に間柱と呼ばれる柱が等間隔で設置されています。壁の防音工事では、その柱と柱の間にグラスウールなど吸音性の高い防音材を入れ、隣接から発生する騒音を軽減します。
自身が騒音を出さないための対策
マンションの騒音対策を考える上で意識しなくてはいけないのは、外や隣接する部屋から発生する騒音への対策だけではありません。自室から発生する騒音によって自分が騒音トラブルの原因にならないようにするための配慮も必要になります。
自室で発生する主な騒音としては、
- テレビやラジオの音
- 洗濯機や掃除機などを使用する音
- 子どもやペットの足音や鳴き声
などがあげられますが、いずれも隣接する部屋との騒音トラブルに発展する可能性のあるものばかりです。活発に遊び回る小さなお子さんやいつ泣き始めるかわからない赤ちゃんのいるご家庭は特に注意が必要だと言えるでしょう。
自室から発生する騒音への対策方法としては、先ほど紹介した壁への防音材の設置に加え、
- 床に防音シートを入れる
- カーペットを設置する
などの対策方法があります。
また、部屋で楽器を楽しみたいと考えているのであれば防音室を作るのもおすすめです。
〈まとめ〉マンションの騒音対策はリノベーションで
住宅の購入には騒音トラブルがつきものです。マンションなどの集合住宅は隣接する部屋の住人との間で騒音トラブルが発生することもあるため、より可能性が高くなります。
マンションの騒音トラブルの多くは、物件選びの間違いから起こります。今回紹介した物件選びのポイントを意識しながら物件を選ぶようにしましょう。
残念ながら、それでも騒音トラブルに巻き込まれてしまう可能性をゼロにすることはできません。深夜の帰宅、早朝の外出による足音、車のエンジン音…近隣住民の生活スタイルは、暮らしてみないと完全にはわからないからです。
ただし、万が一の騒音に備えてリノベーションで対策をとることは可能です。騒音になりにくいマンション選びは実績豊富な〈CRAFT ONE〉にぜひご相談ください。
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