都心のマンションにお住まいだったTさんご夫婦。10年前から「海が見える戸建てで暮らしたい」とお考えだったそうです。
購入したのは、葉山の高台にある築40年の戸建て。窓の外には大きな海と、晴れた日には富士山も。不要な個室をなくすなどリノベーションで間取りを大きく変えました。
休日にはお孫さんたちを迎え、まるで「海の家」のようにゆったりとしたひとときを過ごせるように
〈data〉
場所 : 神奈川県 三浦郡 葉山町
家族構成 : 夫婦
築年数:40年
リフォーム面積 : 150㎡
工期 : 4ヶ月
費用 : – 万円
目 次
海と富士山…あまりにも眺めがよく、購入を即決
15年前にクラフトで都内のマンションをリノベーションしたTさん。「海が見える戸建てへの移住」を決意してからは、時間を見つけては藤沢や熱海、湯河原、千葉などの物件を見にいっていたそうです。
最初は新築も考えていたけれど、インテリアがお好きなご夫婦は「建物を活かせば、そのぶん費用を内装のリノベーションにかけられる」と中古戸建ての購入に絞りました。
そうしてやっと出会えたのがこちらの物件。「海からの景色を見てほとんど即決しました」とTさんは振り返ります。
築40年の軽量鉄骨造だから、心配もあった
とはいえ物件は築40年の軽量鉄骨造。前のオーナーの管理状態がよかったものの、築年数から耐久性などの心配がありました。そこで〈CRAFT ONE〉の担当者は屋根裏などに入って構造をチェック。サビなどがなく、状態もよかったことから購入をおすすめしています。
「構造躯体を活かしつつ、外観~内装まで一新したい」インテリアにこだわりをお持ちのTさんご夫婦は、そう考えてフルリノベーションすることにしました。
景色を一望できるリノベーションプラン
既存は部屋数が多く、伸びやかさに欠ける印象。そこで間取りを全体的に見直しています。
海がきれいに見えるところにリビングをレイアウトしました。コーナーの壁は2面サッシに替え、天井まで届く吐き出し窓に。大きな開口の先には海が広がり、贅沢なホテルを訪れたような印象です。
の長い廊下と3つの和室をとりこんで、18畳のリビングを計画しました。さわやかなブルーの海が映えるように白をベースカラーに。構造上なくせない柱と筋交いは、白く塗って存在感をやわらげています。
真っ白な空間に表情を与えるために、一部の壁は凹凸のあるベージュのタイルを取り入れました。arflexのあざやかなオレンジのソファもフィット。リラクシングな空気が生まれています。
潮風がただようアウトドアリビング
リビングとダイニングの両方からアクセスできるアウトドアリビングを設置。床の段差をなくして出入りしやすくしています。富士山がよく見える西向きにはアウトドア家具をレイアウトしました。
過ごしやすい季節はアウトドアリビングでランチをしたり、読書をしたり。夏になると花火大会もたのしめるそうです。大きな窓と広いテラスがあるだけで、暮らしに余白が生まれます。
家事をスムーズにする動線
こちらに越してから奥さまが驚いたのが、「家事のストレスがなくなったこと」。
独立していたキッチンは、対面にしてダイニングと一体に。キッチン~パントリー~SIC~玄関という裏動線を設けました。パントリーには冷凍庫やワインセラーを配置し、オープンキッチンをすっきりとさせたこともポイントです。洗濯機もパントリーに置いて、家事ができるだけ一箇所で済むように。
キッチンからも葉山の緑を眺めることができ、とても気持ちよく家事ができているそうです。
大小の建物が連なるデザインをより個性的に見せるため、一部の外壁にはボーダータイルを貼りました。厚みと模様の異なるタイルのひとつひとつが、ファサードに豊かな表情を与えています。
エントランスは既存の岩を残し、趣を感じられるように。Tさんのご希望で植えた苔が訪れたゲストの目をたのしませてくれます。すべてを壊すのではなく、住まいの歴史を感じさせるもの・魅力ある部分は残す。リノベーションのよさを再認識させてくれました。
「視線の先に見えるもの」は絶対に妥協しなかった
物件探しに妥協をしなかったTさんご夫婦。なにより重視したのは「視線の先に見えるもの」でした。
カーテンを開けると、目の前に建物はもちろん電線すらなく、ただただ広い海と空が広がっている。そんなイメージをしながら、ひたすら物件を見続けたそうです。だからこそ、こちらの戸建てを見たときに「これだ」と判断できたとか。
たったひとつのこだわりを守り抜いたTさん。虹がかかった海や、美しいグラデーションに彩られた夕暮れの富士山などを新鮮な思いで眺め、ゆったりと過ごしているそうです。