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中古住宅の購入にかかる諸費用はいくら?価格別のシミュレーション結果を大公開!

中古住宅(戸建て・マンション)を購入するとき、物件代金以外にさまざまな諸費用がかかります。事務手数料や税金の支払いなど、どれくらい必要になるのかあらかじめ確認しておきましょう。中古住宅の契約時と住宅ローンの実行時にかかる諸費用の内訳を解説します。

 

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(作成日2022.1.15 更新日2023.3.25)

目 次

中古住宅(戸建て・マンション)に必要な諸費用の目安

中古住宅を購入する際には、住宅そのものの代金以外にも、さまざまな諸経費の支払いが必要です。諸費用の金額は、物件やローンの条件によって異なりますが、目安としては物件価格の6〜10%ほどとなります。

諸経費は原則的に現金払いとなるため、ある程度の自己資金を用意しておく必要があります。諸費用の支払いを対象とした「諸費用ローン」もありますが、住宅ローンに比べて金利が高めです。金融機関によっては諸費用を住宅ローンに組み込める場合もあります。

頭金はいくら必要?

かつては「頭金として、物件価格の2〜3割の自己資金が必要」と言われていました。これは、物件価格の8割までしか融資が受けられない住宅ローンが多かったためです。現在は、大半の住宅ローンが頭金なしで利用可能となっています。

中古住宅購入時にかかる諸費用

中古住宅の購入時に発生する諸費用としては、

  • 申込証拠金
  • 手付金
  • 不動産仲介手数料
  • 不動産登記費用

などがあげられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

申込証拠金

「この物件を購入したい」という意思表示のために、不動産会社に預けるお金です。「予約金」や「申込金」と呼ばれることもあり、相場は1〜10万円程度となります。ひやかし(購入意思のない申し込み)や安易なキャンセルの防止を目的としており、申込証拠金によって売主との交渉権が優先的に確保されます。

もしも売買契約に至らなかった場合は返還されます。契約に進む場合は、諸費用や物件代金の一部に充当されるのが一般的です。なお、申込証拠金が不要な物件もあります。

手付金

売買契約を結ぶ際に支払うお金です。手付金にはいくつかの種類がありますが、一般的な不動産取引の場合は「解約手付」を指します。買主の都合で契約解除を希望する場合、「手付放棄」となり支払った手付金は返還されません。売主都合の場合は、「手付倍返し」として2倍の額を買主に支払うことで契約を解除することができます。

手付金の相場は新築物件の場合は売買価格の5〜10%ほど、中古物件の場合は10%ほどです。売主が個人ではなく不動産会社の場合、手付金の上限は売買価格の20%までと法律で定められています。

手付金は売買代金の一部ではありませんが、契約解除がなければ残代金の支払い(住宅ローンの実行)の際に充当されるのが一般的です。

不動産仲介手数料

売主と買主の仲立ちとなる、不動産会社に支払うお金です。物件価格の3%ほどが目安で、上限は「(物件価格×3%+6万円)+消費税」と定められています(※400万円を超える売買の場合)。

一般的には契約締結時に半額を、物件の引き渡し時に残りの額を支払います。契約に至らなかった場合や、中古物件の売主が不動産会社の場合には、仲介手数料はかかりません。

不動産登記費用

登録免許税

不動産登記とは、不動産の所有権を移転するときや、抵当権の設定(住宅ローン実行に必要)の際に行う手続きです。物件の所在地を管轄する法務局に出向き、登記簿(不動産の権利関係を記載した帳簿)の内容を変更します。登記手続きの際に納める税金が、登録免許税です。

登録免許税は、物件の固定資産税評価額に応じて算出されます。「個人が自らの住宅用とする」「床面積が50㎡以上」などの要件を満たすことで軽減措置の対象となります。

登記の種類登録免許税(本則)軽減措置の税額
土地の所有権移転(売買)評価額×2.0%評価額×1.5%(※1)
建物の所有権移転(中古住宅・売買)評価額×2.0%評価額×0.3%(※2)
抵当権の設定評価額×0.4%評価額×0.1%(※2)

※1:令和5年3月31日までに登記を行う場合の特例。※2:令和4年3月31日までに登記を行う場合の特例。住宅が「特定認定長期優良住宅」、「認定低炭素住宅」などの条件を満たす場合は、さらに大きな軽減措置の対象となります。

司法書士報酬

不動産登記を依頼する司法書士に支払う報酬です。料金は司法書士事務所により異なりますが、5〜15万円ほどが目安となります。

中古住宅(戸建て・マンション)の購入時にかかる税金

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中古住宅の購入時に発生する税金としては、

  • 印紙税
  • 不動産取得税
  • 固定資産税・都市計画税清算金
  • 消費税

などがあげられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

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印紙税

不動産の売買契約書を作成する際に必要な税金です。契約金額に応じた税額の印紙を購入し、契約書に貼り付けるかたちで納めます。

契約金額印紙税額(1通または1冊につき)
1,000万円超〜5,000万円以下2万円
5,000万円超〜1億円以下          6万円

不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得する際に課税される地方税です。個人が自ら住むために住宅を購入する場合、「床面積50〜240㎡」「新耐震基準に適合」の要件を満たしていれば大幅な軽減措置の対象となり、条件によっては不動産取得税がかからないこともあります。

【建物(中古住宅)の不動産取得税】=(固定資産税評価額 − 控除額)× 3%

不動産取得税の控除額(一部抜粋)

新築された日控除額(※)
1997年4月1日〜1,200万円
1989年4月1日〜1997年3月31日1,000万円
1985年7月1日〜1989年3月31日450万円

※控除額は東京都のもの。自治体によって多少異なることがあります。

【土地の不動産取得税】=(固定資産税評価額 × 1/2 × 3%)−控除額(下記A・Bいずれか多い方)

A: 45,000円
B:(土地1㎡あたりの評価額×1/2)×(床面積(上限200㎡)×2)×3%

固定資産税・都市計画税清算金

その年の固定資産税および都市計画税について、所有権移転の日を基準にして日割り計算し、売主と買主でそれぞれ負担します。

消費税

「消費されないもの」と定義されている土地の売買や、個人間売買は消費税の課税対象外です。つまり、<個人所有の中古住宅を購入>する場合、消費税はかかりません。ただし、不動産仲介手数料は課税対象となります。

取引の内容消費税
土地部分非課税
建物部分(売主が個人)非課税
建物部分(売主が不動産会社)課税
不動産仲介手数料課税

住宅ローンにかかる諸費用

保証料

住宅ローン返済の滞りに備え、保証会社へ支払う費用です。住宅ローン契約の際に一括で支払う「外枠方式」と、金利に上乗せする形で毎月支払う「内枠方式」があります。内枠方式を選択すると契約時の諸費用を抑えることができますが、総支払額は大きくなるのが一般的です。

保証料の目安は、外枠方式の場合は売買金額の2.0%ほど、内枠方式の場合は0.2%ほどの金利上乗せとなります。なお、保証料が不要な金融期間もあります(住宅金融支援機構のフラット35など)。

融資事務手数料

住宅ローン実行時に、金融機関へ支払う事務手数料です。定額型(3〜5万円ほど)と、定率型(借り入れ金額の2%ほど)の2タイプがあります。

印紙税

売買契約書を作成するときと同様に、住宅ローン契約書にも必要となります。

団体信用生命保険料(保険料外枠方式の場合)

団体信用生命保険とは、ローン契約者が死亡あるいは高度障害状態となったときに、残債が全額返済される保険です。多くの場合内枠方式として金利に上乗せするかたちで支払いますが、外枠方式で一括支払いする場合は10〜12万円ほどとなります。なお、団体信用生命保険には保険会社による審査があり、健康状態によっては加入できないこともあります。

火災保険料・地震保険料

住宅ローン契約の条件として、ほとんどの金融機関で火災保険への加入が必須となっています。火災保険料は建物の構造や保証の内容により異なりますが、10年契約で10〜50万円ほど、地震保険を追加する場合は10〜20万円ほど上乗せとなります。なお地震保険単体で加入することはできません。

物件検査手数料(フラット35のみ)

住宅金融支援機構のフラット35を利用する場合、融資対象の中古物件が機構の定める基準を満たしていることを示す「適合証明書」の提出が必要です。適合証明書は、検査機関に検査を依頼し発行してもらいます。その際に支払う費用が物件検査手数料です。

物件検査手数料は、検査機関や物件のエリアによって異なりますが、中古戸建てで4〜6万円、中古マンションで4〜10万円ほどが目安です。なお、物件が一定の要件(新築時に長期優良住宅の認定を受けているなど)を満たす場合は、物件検査を省略することができます。

中古住宅(戸建て・マンション)購入時にかかるその他の費用

中古住宅の購入時にかかるその他の費用としては、

  • リフォーム・リノベーション費用
  • 入居費用

などがあげられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

リフォーム・リノベーション費用

中古住宅の購入にあわせてリフォームやリノベーションを行う予定なのであれば、リフォーム費用やリノベーション費用についても頭に入れておかなくてはいけません。

いくらかかるかはリフォームやリノベーションの内容によって異なりますが、それらの費用を含めて住宅ローンを組んだり、リフォームローンを活用したりすることも可能です。

中古戸建てや中古マンションのリノベーションにかかる費用の相場については以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。

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入居費用

中古住宅を購入する際は、引越しにかかる費用などの入居費用についても考えておく必要があります。

引越しにかかる費用は荷物の多さや距離によって異なりますが、10万円以上かかることも珍しくありません。また、引越しにあわせて家具や家電を新調するのであれば、それらの費用についても頭に入れておく必要があります。

【物件価格別】中古住宅の購入にかかる諸費用のシミュレーション

物件購入金額と借入金額ごとのシミュレーションを見てみましょう。諸費用の詳細は物件の条件やローンの契約内容により異なりますので、あくまでもおおまかな目安としてお考えください。

シミュレーションcase1【物件購入金額1,000万円、借入金額500万円】

ローンを500万円借り入れて1,000万円の中古住宅を購入するケースの諸費用は以下のとおりです。

  • 物件購入金額:1,000万円
  • 借入金額:500万円
  • 諸費用合計:約115.4万円
  • 合計金額:約1,115.4万円

諸費用の内訳は以下のとおりとなっています。

仲介手数料約39.6万円
登記費用・登録免許税約20万円
住宅ローン抵当権設定登記約2万円
売買契約書 印紙代約2万円
固定資産税約9.8万円
住宅ローン事務手数料約11万円
火災保険料約10万円
不動産取得税約21万円

シミュレーションcase2【物件購入金額2,000万円、借入金額1,500万円】

ローンを1,500万円借り入れて2,000万円の中古住宅を購入するケースの諸費用は以下のとおりです。

  • 物件購入金額:2,000万円
  • 借入金額:1,500万円
  • 諸費用合計:約225.2万円
  • 合計金額:約2,225.2万円

諸費用の内訳は以下のとおりとなっています。

仲介手数料約72.6万円
登記費用・登録免許税約40万円
住宅ローン抵当権設定登記約6万円
売買契約書 印紙代約2万円
固定資産税約19.6万円
住宅ローン事務手数料約33万円
火災保険料約10万円
不動産取得税約42万円

シミュレーションcase3【物件購入金額3,000万円、借入金額2,000万円】

ローンを2,000万円借り入れて3,000万円の中古住宅を購入するケースの諸費用は以下のとおりです。

  • 物件購入金額:3,000万円
  • 借入金額:2,000万円
  • 諸費用合計:約282万円
  • 合計金額:約3,282万円

諸費用の内訳は以下のとおりとなっています。

仲介手数料約105.6万円
登記費用・登録免許税約8万円
住宅ローン抵当権設定登記約20万円
売買契約書 印紙代約2万円
固定資産税約29.4万円
住宅ローン事務手数料約44万円
火災保険料約10万円
不動産取得税約63万円

シミュレーションcase4【物件購入金額4,000万円、借入金額3,500万円】

ローンを3,500万円借り入れて4,000万円の中古住宅を購入するケースの諸費用は以下のとおりです。

  • 物件購入金額…4,000万円
  • 借入金額…3,500万円
  • 諸費用合計…約383.5万円
  • 合計金額…約4,383.5万円

諸費用の内訳は以下のとおりとなっています。

仲介手数料約136.1万円
登記費用・登録免許税約80万円
住宅ローン抵当権設定登記約19万円
売買契約書 印紙代約3万円
固定資産税約10万円
住宅ローン事務手数料約5.4万円
火災保険料約40万円
不動産取得税約90万

シミュレーションcase5【物件購入金額5,000万円、借入金額4,000万円】

ローンを4,000万円借り入れて5,000万円の中古住宅を購入するケースの諸費用は以下のとおりです。

  • 物件購入金額…5,000万円
  • 借入金額…4,000万円
  • 諸費用合計…約460.4万円
  • 合計金額…約5,460.4万円

諸費用の内訳は以下のとおりとなっています。

仲介手数料約168.5万円
登記費用・登録免許税約100万円
住宅ローン抵当権設定登記約21万円
売買契約書 印紙代約3万円
固定資産税約10万円
住宅ローン事務手数料約5.4万円
火災保険料約40万円
不動産取得税約112.5万円

シミュレーションcase6【物件購入金額6,000万円、借入金額5,000万円】

ローンを5,000万円借り入れて6,000万円の中古住宅を購入するケースの諸費用は以下のとおりです。

  • 物件購入金額…6,000万円
  • 借入金額…5,000万円
  • 諸費用合計…約539.3万円
  • 合計金額…約6,539.3万円

諸費用の内訳は以下のとおりとなっています。

仲介手数料約200.9万円
登記費用・登録免許税約120万円
住宅ローン抵当権設定登記約25万円
売買契約書 印紙代約3万円
固定資産税約10万円
住宅ローン事務手数料約5.4万円
火災保険料約40万円
不動産取得税約135万円

中古住宅の購入時にかかる諸費用に関するよくある疑問・質問

ここからは、中古住宅を購入するときにかかる諸費用に関するよくある疑問や質問を、Q&Aの形式で紹介していきます。

Q 諸費用はいつ支払うの?

A 中古住宅の購入時にかかる諸費用のほとんどは、引き渡しの際に支払うのが一般的です。ただ、印紙代や仲介手数料、不動産取得税など一部例外的なものもあります。

印紙代は物件の売買契約を結ぶときとローンの契約を結ぶときに支払う必要がありますし、不動産取得税は、中古住宅を取得してから3〜6ヶ月以内に納税通知書が届くようになっています。

また、仲介手数料については、売買契約時に一部を支払い、残りを引き渡しのタイミングで支払うなど、仲介してもらう不動産会社によって支払いのルールが異なるので注意しましょう。

Q 諸費用を含めた金額でローンを組むこともできる?

A 利用する住宅ローンによっては諸費用を含めた金額でローンを組むことも可能です。紹介してきたとおり、諸費用は物件価格の6〜10%ほどと結構な金額になるので、諸費用を含めてローンを組むことも検討するべきだと言えるでしょう。

ただ、諸費用を含めてローンを組むと月々の返済額が多くなるので、その点をしっかりと認識した上で諸費用を含めるかどうか判断するようにしてください。

まとめ

中古住宅購入の諸費用は物件ごとに異なります。まとまった現金での支払いが必要になるため、いつ・どれくらいの出費になるのか把握しておくことが大切です。〈CRAFT ONE〉では、前もって必要な諸費用をお伝えし、その都度お支払いのタイミングをご案内いたしますのでご安心ください。

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